囚われないこと

2010-11-02 

もし全ての存在に輪廻があるなら、全ての存在は既に不死を実現している。

つまり記憶の断絶をもって死とする、見かけ上の死。

原子的な物質の変遷を考えるなら、人は地球上で、さらには宇宙において、あらゆる存在に変遷して行く。

ある時は太陽であったり、海であったり、岩石であったり、生物であったりする。

地球を全体として眺めるなら、人は地球を構成する欠片にすぎない。

生物であった頃の記憶は、死をもって断絶し、別の形態に変遷する。

人は以前魚類であったり、恐竜であったり、他の生物であったかもしれない。

そして人から人に生まれ変わるなら、人は以前高貴な身分だったかもしれず、卑小な身分だったかもしれず、幸せだったかもしれず、不幸だったかもしれない。

既に前世が高貴な身分だったと思えば、この世で出世しようとは思わず、既に前世が卑小な身分だったと思えば、この世で葛藤することもない。

元々大した者ではないんだから。

また、元々大した者だったんだから。

天水晶の心臓

過去に書いたものでも置いて行こうかと思います。

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