イエスの系図と悪魔について
2010-11-14 15:50:21
旧約聖書ルツ記に載るダビデの系図
【ペレツ】→【ヘツロン】→【ラム】→【アミナダブ】→【ナフション】→【サルマ】→【ボアズ】→【オベド】→【エッサイ】→【ダビデ】
新約聖書マタイ福音書に載るイエスの系図
アブラハム→イサク→ヤコブ→【ユダ】→【ペレツ】→【ヘツロン】→【アラム】→【アミナダブ】→【ナフション】→【サルモン】→【ボアズ】→【オベド】 →【エッサイ】→【ダビデ】→ソロモン→レハブアム→アビヤ→アサ→ヨシャファト→ヨラム→ウジヤ→ヨタム→アハズ→ヒゼキヤ→マナセ→アモス→ヨシヤ→ エコンヤ→【シャルティエル】→【ゼルバベル】→アビウド→エリアキム→アゾル→サドク→アキム→エリウド→エレアザル→マタン→ヤコブ→【ヨセフ】→ 【イエス】
新約聖書ルカ福音書に載るイエスの系図
アダム→セト→エノシュ→ケナン→マハラルエル→イエレド→エノク→メトシェラ→レメク→ノア→セム→アルパクシャド→カイナム→シェラ→エベル→ペレグ →レウ→セルグ→ナホル→テラ→アブラハム→イサク→ヤコブ→【ユダ】→【ペレツ】→【ヘツロン】→【アルニ】→アドミン→【アミナダブ】→【ナフション】→【サラ】→【ボアズ】→【オベド】→【エッサイ】→【ダビデ】→ナタン→マタタ→メンナ→メレア→エリアキム→ヨナム→ヨセフ→ユダ→シメオン→レビ→マタト→ヨリム→エリエゼル→ヨシュア→エル→エルマダム→コサム→アディ→メルキ→ネリ→【シャルティエル】→【ゼルバベル】→レサ→ヨハナン→ヨダ→ヨセク→セメイン→マタティア→マハト→ナガイ→エスリ→ナウム→アモス→マタティア→ヨセフ→ヤナイ→メルキ→レビ→マタト→エリ→【ヨセフ】→ 【イエス】
三つの系図で共通するのは、【ユダ】から【ダビデ】までの系図と、【シャルティエル】→【ゼルバベル】と、【ヨセフ】→【イエス】であとは違います。
ルツ記に載る系図の初めにある【ペレツ】は、イスラエル12支族のユダ族の始祖ユダが、息子の嫁タマルとの間に作った子供なので、ユダから共通としていいと思います。
ルツ記の内容はこうです。
ユダ地方のベツレヘム出身のナオミが、夫と息子を連れてモアブ人の国に寄留し、息子がモアブ人の娘ルツを嫁にしたあと、子供を残さずに息子と夫が亡くなります。
残されたナオミは、モアブ人の嫁ルツを連れて故郷に帰り、ベツレヘムに住む親族のボアズにルツを与え、ナオミの土地の跡継ぎを作らせるお話です。
モアブ国は、ユダヤ人を滅ぼそうとしたモアブ人の王バラクで有名です。
(バラクといえば、アメリカ大統領のバラク・オバマが思い出されますが、こちらは旧約聖書士師記に登場するユダヤ人の指揮官バラクから採られたのかもしれません。キリスト教徒は聖書の中から名前を付けますから。ただ士師記の中で、なぜユダヤ人の指揮官に、悪名高いバラクの名がついているのかがそもそも疑問ですけど。)
創世記では、アブラハムの甥のロトが、実の娘との間に作った子供モアブを、モアブ国の始祖とします。
ダビデ王は美しい女の水浴びを見て気に入り、自分の家臣であったその夫を、戦争の最前線に送って計画的に殺害し、その妻を手にいれてソロモンが生まれました。
長じたソロモンは神に愛されて知恵を授けられ、世界一賢い者になりましたが、異教の神を祀りました。
しかし当人がその罰を受けることはなく、その死後に後継者問題で王国が南北に分裂します。
イエスの母マリアは、夫ヨセフとの間ではなく、神との間に子供を作りました。
しかもそれはイエスだけで、イエス以外の多くの兄弟はヨセフとマリアとの間に生まれた子供みたいです。
ギリシア神話の価値観で言えば、イエスの家系は呪われた不義の一族ということになります。
それはさておき、イエス(正確にはイエスの義理の父ヨセフの家系です)が【ユダ】の家系ということと、ゼカリヤ書に登場する【ゼルバベル】の家系ということは、とても面白いのです。
神と人の間に生まれた子というのは、多くの神話で一般的なものですが、旧約聖書の中だけでも、それに関連する記述はたくさんあります。
ノアの洪水直前に登場する、神の子たちが人間の美しい娘たちを妻として生んだ一族ネフィリムがそうです。
かれらはノアの洪水以後も生き残り、ユダヤ人のパレスティナ侵入後に、巨人族として発見されます。
そのバシャンの王オグの鉄の棺のサイズは、長さ4m5㎝×幅は1m80㎝でした。
そして彼らネフィリムの子孫が暮らしていた土地は、アスタロト(中東で広まっていた金星の神の名)やデビルと呼ばれ、後にそれらは悪魔を指す名称とされました。
ユダ族の土地ヘブロンは、元々はネフィリムの伝説的英雄アルバの名にちなみ、キルヤト・アルバと呼ばれていました。
レビ記にはアザゼルが登場します。
以上は正典とされる聖書に載りますが、正典に含まれないエノク書では、アザゼルは神に反逆した堕天使たちのリーダーの一人で、エグリゴリと呼ばれた彼ら堕天使たちは、人間の女たちとの間にネフィリムという巨人族を作ります。
エノク書ではノアの洪水の目的を、このネフィリムを滅ぼすためと説明します。
【ゼルバベル】は旧約聖書ゼカリヤ書に登場する、二人の油注がれた者(キリスト=メシアは油注がれた者の意味)のうちの一人です。
イエスは明けの明星(金星)と呼ばれ、堕天使は天から落ちた明けの明星(金星)と呼ばれます。
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